エイリアンロムルス

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息をのむ恐怖に叫ぶこともできない

原題:Alien: Romulus

巨匠、リドリー・スコットが伝説的な第1作を世に送り出してから45年。
あの恐怖が再び訪れる。
悲鳴も叫び声も誰にも届かない、宇宙空間で、想像を絶する恐怖と対峙する若者たち。
なすすべもなく一人また一人と命を落としていく、、、、
原点を越えるエイリアンの恐怖に、あなたは耐えることが出来るだろうか、、、

2024年Filmarksの評価で4.0を獲得し、IMAX上映ではホラー映画歴代1位と話題を呼んだ作品である。
国内最大級のレビューサイトFilmarksで4.0評価、アメリカの映画批評サイトRotten Tomatoesでスコア83パーセントと
映画としての完成度の高さを物語っている。
評価はエイリアンを初めて鑑賞した人の声も多数存在するため、過去の作品を鑑賞していなくても大丈夫である。

監督
フェデ・アルバレス 

主演
ケイリー・スピーニー(レイン)
デヴィット・ジョンソン(アンディ)
アーチー・ルノー(タイラー)
イザベラ・メルセード(ケイ)
スパイク・ファーン(ビヨン)
アイリーン・ウー(ナヴァロ)

目次

あらすじ

ジャクソン星の鉱山で働くレインと弟のアンディは過酷な環境であるジャクソン星を離れ、ユヴァーガへの移住を切望していた。
その願いも叶わぬまま落胆していたその時、漂流する宇宙船を発見したと仲間から連絡があった。
漂流した宇宙ステーションから冷凍休眠ポッドを回収し、ユヴァーガへの移動計画を持ち掛けられアンディともに漂流した宇宙ステーションへと向かった。
宇宙ステーションへ到着した一行は、ステーション内で冷凍休眠ポッドを見つけ出し、回収に成功、速やかにユヴァーガへ向かう予定であったが、燃料が足りないことに気づき、燃料の回収に急ぐ。
やっと見つけた燃料だったが、保管場所は恐ろしい実験を行っていた研究フロアであった。

一行はそこで思いもよらぬ恐怖と遭遇してしまうのだった、、、

息をのむ恐怖に叫ぶこともできない

ドントブリーズの監督、フェデ・アルバレスの作品。
視覚的な恐怖だけでなく、心理的な恐怖も織り交ぜてくる、まさに恐怖の感情を知り尽くして作られている。

SFホラーはこういうのがいい

とにかく見やすい。
シナリオ、テンポ、演出、緊張感、全体的にバランスがいい。

とにかく怖いモンスターが登場する、シンプルでありながらなかなか出会えない良質な作品である。
エイリアンというブランドではあるが、それ以前に完成度が高い。
これがエイリアンではない別の何かであったとしても満足できたのではないかと思えるほどである。

素直に、怖くて、緊迫感や緊張感に目を覆いたくなる体験は久しぶりである。
『SFホラーってこれでいいんだよ、こういうのが欲しかった』が詰まった作品。

とある演出が美しく芸術的

エイリアン関連の作品で注目してしまうのが、それぞれの作品で最初にエイリアンが登場するシーン。
その多くは、登場した次の瞬間に人間を襲うなど、エイリアンそのものの行動により恐怖へと誘われていきます。

しかし、今回の作品はエイリアンが登場した後、音と映像により恐怖へと誘われていくという、芸術的な演出で恐怖へと誘われます。
エイリアンの行動ではなく、エイリアンの存在そのものが恐怖なのだと語る演出が見事です。


他にない演出に、映画の芸術性を感じることが出来る。

息をのむ恐怖に叫ぶこともできない

エイリアンシリーズを知っている人とそうでない人で意見が分かれるが、エイリアンシリーズ初見の人なら確実に怖い映画である。
シリーズをずっと追ってきている人であれば、過去作と比較して鑑賞すると思われるが、それでも3本指には必ず入るはずである。

エイリアンの怖さと、人の恐怖の心理を知り尽くして作られているため、ホラー映画としての完成度も高い
想像を超えるクライマックスにも是非注目していただきたい。

こんな人にみてほしい

エイリアンシリーズの新たなる名作

エイリアンファンなら言うまでもなく鑑賞しているためここであえて言う必要もないが、まだ鑑賞していないなら早急に鑑賞することをお勧めする。
過去エイリアン関連の作品は今作を含めて9作品も世に送り出され、エイリアン2以降評価が下降気味だったが、この作品で返り咲いたと言っても過言ではない。
それは、あらゆる場所で高評価を得ているところから感じられる、文句の付け所がない作品である。
俳優陣も新人で、ネームバリューに頼らず、過去作に対しての愛情と敬意を感じ、そのうえで新たな設定や演出をバランスよく組み込んでくる、製作陣の本気を感じる映画である。

往年のエイリアンファンはもちろん、映画ファンや今回初めてエイリアンシリーズを鑑賞する人も満足できる作品であると感じる。

鑑賞後アフタートーク ネタバレあり 鑑賞後の閲覧推奨

 初代エイリアンが世に放たれてから45年、あらゆるストーリーで展開され、世に知れ割った存在でありながら、新たに新鮮な形でスクリーンに帰ってきたことに驚きを隠せなかった。

ただ、監督がフェデ・アルバレスであることには納得した。
有名な作品で言うと、【ドントブリーズ】。
フェデ・アルバレス監督の恐怖を音を使って表現する技法は目を見張るものがある。
使うという表現が正しいかはわからないが、無音にすることで人間の恐怖心理を鮮明に表現をしている。
言葉を失うというのか、恐怖を感じたときに耳を研ぎ澄まし、静寂の中にいるあの状況をこれでもかというほど鮮明に表現する。
この技法が、エイリアン・ロムルスでもきれいにはまっているのである。
そしてその演出に感動すら覚えてしまう。

とにかくこの映画は演出がとても映える。

音を消す演出の他は、ステーション内の無重力を感じるカメラワークも素晴らしかった。
劇場鑑賞中は自分も宙に浮いている錯覚を味わった。
成熟したエイリアンが誕生するシーンも、その堂々たる登場っぷりがファンの心をつかんだのではなかろうか。

そしてラストシーンで現れるエイリアンと人間のハイブリットもまた、想像を絶する恐怖であった。
オフスプリングという名のモンスターであるが、どんでん返し的な要素としてはかなり厚みがあった。
その存在にエイリアンファンとしては賛否両論があったが、私としては純粋に怖かったことと、過去作への敬意見たいものを感じたこともあり、よかったのではないかと思う。

この異様に恐怖を感じさせるモンスターがCGではなく、ロバート・ボブロッキーという俳優に着ぐるみを着せて撮影している点もより恐怖が増した要因であろうと感じる。

語りだしたらきりがないほどである。

次作への期待が高まる一方である。

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