書くことだけが手紙じゃない
ジャーナリストで作家である小倉孝保氏によるノンフィクション作品を塚本連平が監督・脚本を務め製作された。
過去と現代を交差しながら描かれるストーリーで主演は笑福亭鶴瓶と原田知世、重岡大毅(WEST)、上白石萌音の4名が夫婦役を務めている。
実話をもとにした物語で、『ザ!世界仰天ニュース』で特集され話題となった。
あらすじは、戦後から現代までの夫婦の物語で読み書きができない夫のが読み書きができるようになるまでの軌跡である。
夫婦の絆と、家族の暖かさを改めて感じさせてくれる物語であるとともに、何かに挑戦する気持ちや人々のつながりなど、生きること、人生について今一度考えさせてくれる。
少し考えられたラストシーンがより感動させてくれる。

(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会
引用元:映画.com
監督
塚本連平
主演
笑福亭鶴瓶(西畑保 現代)
原田知世(西畑皎子 現代)
重岡大毅(西畑保 過去)
上白石萌音(西畑皎子 過去)
目次
あらすじ
西畑保(笑福亭鶴瓶)は貧困でとある理由で学校に行けなくなり、読み書きを教わらぬまま大人になってしまう。
そんなある日、妻への感謝の気持ちを込めたラブレターを書きたいと、夜間学校に通うことになる。
そして年月をかけてラブレターが完成するのだが、そんなときに妻である西畑皎子(原田知世)が病気であることが発覚する。
思いを込めて書き終えたラブレターを渡せないままでいるのだが、、、

(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会
引用元:映画.com
みどころ
手紙を書くことだけがゴールではない
あらすじは読み書きを覚え、ラブレターを書くことを目標にしているが、結果はそれだけにとどまらない。
そこに行きつくまでの道のりや、人との出会いなど心が温まることがたくさん起こる。
そして、いくつになっても何かを始めることの大切や素晴らしさを感じることが出来る。
本作は、人生を考え直すきっかけになるかもしれない。
悲しみで終わるはずの結末が、思いもよらない幸せの結末に
新しいことを始めることは順風満帆なことだけではない。
壁にぶつかったり、挫折を味わうことも少なくない、ラブレターだってそう簡単に渡せるものではないのである。
そんな挫折や悲しいことも悲しいだけでは終わらない物語がなんとも素晴らしい。
ラストシーンも胸にぐっとくる演出できっと涙する。
べただけど家族の大切さや人とのつながりを感じさせる
家族の在り方は人それぞれだと思われるが、改めて家族や人と人とのつながりは素晴らしいと感じさせてくれる作品。
つかず離れずな関係であるが、大切な時にはそばにいる。
べたではあるが、家族って大切だなと思える。
また、家族以外の人とのつながりについても描かれている。
たくさんの人と巡り合うことで人生にいい影響が出てくる、それは自分だけではなく相手にも言えること。
現代はあまり他人を信じづらい世の中になってしまったが、自分が所属するコミュニティ、例えば職場や学校、習い事などでの人とのつながりは大切にしたいものである。

(C)2025「35年目のラブレター」製作委員会
引用元:映画.com
書くことだけが手紙ではなかった
熟年夫婦の感動を描いたストーリーである。
改めて夫婦や家族の大切さを感じる作品であると同時に、いくつになっても挑戦し人生を楽しむという生き方を考えさせらる要素も相まっている。
生きていると仕事に追われ、子育てに追われ年月はあっという間に過ぎ去ってしまうものである。
それでもいつの日か、新たな挑戦や楽しみを見つけ自分の人生を歩みなおすというのは可能なのである。
そんな人の根底にあり、忘れずにいたいことを改めて思い出させてくれる。
そして、これが物語のメインプロット(主軸となる内容)ではなく副産物的に得られる感情であることもすてきである。
ラブレターを書き終え、妻に渡した後の結果やそれまでも紆余曲折はこぶしを握って応援したくなるのである。
そして最後に得られる結果は、人生においてかけがえのないものであり、幸か不幸か夫婦の最良のコミュニケーションの方法となるのである。
世の中の人々はいろいろな事情で家族と向き合っていると思うが、是非この映画を見て改めて家族、奥様、旦那様の大切さを感じてもらえたらと思う。