2分の1の魔法

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愛のある教訓を得られる、魔法の世界の物語

監督
ダン・スキャロン

キャスト

  • イアン:トム・ホランド  志尊淳
  • バーリー:クリス・プラット 城田優
  • ローレル:ジュリア・ルイス=ドレイファス 近藤春菜
  • コーリー(マンティコア):オクタヴィア・スペンサー 浦嶋りんこ

魔法の世界で人々?世界の住人たちが魔法を使わなくなった現代。
一人の少年がなくなった父に会うために魔法でよみがえらせようと試みる。
そして見事よみがえった!と思ったらなんとよみがえったのは体半分だけだった。
父を完全によみがえらせるため、魔法を完成させる旅に出る、、、

目次

オープニングのストーリーのアイデアが笑える。

今作は魔法が存在する世界の話、いわゆるおとぎ話である。
魔法が、この世界でどう利用されてきたか、今現在はどうなってきているかを説明するオープニングの数分間が本当に面白い。
こういうアイデアって本当にピクサーらしいというか、そこだけで笑顔にしてくれるし満足させてくれる。
冒頭のシーンからわくわくさせてくれる、そんな作品。

いろんな努力があっていろんな結果がある

家族で見てほしい作品。
そもそもディズニーであり、ピクサー作品であるため、家族向けの映画ではあると思うが、改めてそれを推奨する。

努力すれば必ず夢は叶うという教訓は子供のころ誰もが教わったことではなかろうか。
本やアニメの物語においての結末はそうであってほしいし、もちろん映画もそうであってほしい。
しかし、この作品はそうではない。
時に思い通りにいかないこともあるという教訓を得られる。
ただそれだけでは終わらないのがこの映画のいいところ。

それがまた、とても説得力があり、自分も頑張ろう、そう思えるストーリーなのである。

人生はうまくいくことばかりではない、目標も思い通りにならないこともあるかもしれない。
努力しても叶わない人が数えきれないほどいる、でもその過程で得たものやその先にあるもの、結果は笑顔になれることばかりだったはず。
一見残念に思える出来事の先に必ず違う道が見えたはず。

そんな教えと、そのことを面白おかしくそして感動的に思い出させてくれる。そしてとても愛のある教えではないかと思う。

良作である。

(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
引用元:映画.com

英語のキャストがアベンジャーズ

主人公イアンの声に、スパイダーマンホームカミングのトム・ホランド
兄バーリーの声に、ガーディアンオブギャラクシーのクリス・プラット
母ローレルの声に、サンダーボルツ:ニューアベンジャーズのジュリア・ルイス=ドレイファス と
アベンジャーズのキャストが大勢参加している。

ディズニーの映画も含め、海外のアニメーション映画のキャストをあまり気にすることがないのではないかと思うが、
意外とスターと呼ばれる人がキャストを担っていることがある。
興味があれば字幕での鑑賞も試してみてほしい。

ピクサー作品の中でもトップクラスに面白い

ピクサーアニメーションスタジオの作品はどれも名作ばかりであるが、この作品はその中でもいろいろな意味で面白い、よく考えられた作品である。
監督はモンスターユニバーシティのダン・スキャロン。
努力すれば夢は叶うという王道のストーリー展開はとらず、少し変わった結末を描く監督である。

世界的なパンデミックの騒ぎも冷めやらぬ時期の公開であったのもあり、興行収入はあまり振るわなかったが、私個人の意見としてはピクサー作品の中でもトップクラスの完成度ではないかと感じる。

映画は魔法が存在する世界のお話で、おとぎ話そのものであるが、描かれている人間ドラマや結末は私たちが普段の生活で実感していることや、人間関係を描いている。
映画の結末も思っていたものとは違う流れなるのだが、誰もが納得できる感動的なラストシーンである。
それはどこか現実的で私たちの人生そのものを映し出してくれたような感覚に陥る。
おとぎ話と現実のギャップはとても映画らしく普段味わうことのできない非日常ではある。

鑑賞後アフタートーク ネタバレあり

個人的にだがダン・スキャロンの作品は結果が現実的なところがすごく好きである。
ディズニーは夢は叶うという大枠のテーマがあると思うのだが、夢はまっすぐに叶うとは限らない、
時には違った形で叶ったり、思っていたこととは違う形になってしまうこともある。
しかし、その結果は後々自分の望む方向に進んだり、実は本当に必要なことだったりする。
ストーリーや世界観は完璧に空想でありながら、ドラマの部分はどこまでも現実的でリアルなのである。

生前、弟とは顔を合わせていない父、お互いにお互いの記憶がない中、もし魔法で一瞬甦った父と出会ってしまったら。
本来の記憶に関してや時間軸がずれてしまったりといろいろ問題になる。
一瞬だけ復活して、兄バーリーと少しだけ言葉を交わして去っていく。
やりたい放題せず、守るべきルールといのか、そいういものはしっかり守っているという安心感もある。
弟は父には会えなかったが、父の存在を実感できたこと、それは自分が欲しかった父との思いでが別の形ではあるが手に入ったこと。
作品の終盤、冒険の過程を思い返したとき、この作品の真のテーマを感じることが出来るという具合である。
本作の監督の前作、モンスターユニバーシティも結果はそういう感じで終わった。

現実世界でも夢は時に違う形で叶うことがあり、それも人生である。
だから努力を続けることは決して無駄にはならない。
ピクサーの作品は、良質なテーマとメッセージをアニメーションという何よりもポップで分かりやすい形で表現してくれる。
このスタジオの人間たちはどんな人生を送ってきたのだろうか。
新作を鑑賞するたびに感動し、そんなことを考えてしまう。


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