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感動するホラー
概要
原題: A Quiet Place/A Quiet Place Part II
公開:2018年9月28日/2021年6月18日
監督:ジョン・クラシンスキー
主演:ジョン・クラシンスキー(リー・アボット)
エミリー・ブラント(イヴリン・アボット)
ミリセント・シモンズ(リーガン・アボット)
ノア・ジューブ(マーカス・アボット)
ケイド・ウッドワード(ボーアボット)※1作目のみの出演
キリアン・マーフィ(エメット)2作目のみの出演
あらすじ
音を立てたら即死
音を出せない世界で生きる一つの家族。
靴も履かず、会話もせず得体の知れない恐怖と戦いながらひっそりと暮らしている。
ほんの少しでも声を出せば次の瞬間命が絶たれる、、、
奴らはどこから来たのか、、、
奴らと戦う術を探しながら日々を過ごす中、家族に新しい命が誕生する。
音を出してはいけない中、果たして家族は無事に生き延びることができるのだろうか、、
(みどころ)
音を出さない事だけ
よくあるモンスターパニックホラー作品だが、ありそうでなかった音という重要なファクター。
シンプルに恐ろしいモンスターが人間を襲うのだが、音を立てることでそれを呼び寄せてしまう。
見ているうちにモンスターより音に恐怖を覚えてしまうというなんとも不思議な体験をしてしまう。
スリルも緊迫感も一味違った作品になっている。
人間ドラマがはっきり描かれている
登場するモンスターの起源などには一切触れず、登場人物たちの人間ドラマにフォーカスされた作品である。
こういうジャンルでは珍しく、単に恐怖を感じるだけでなく、しっかりと感情移入させてくれることでより作品に没入できる。
スリルと感動の両方を味わえる少し贅沢な作品でもある。
もちろん、ホラーとしてもしっかり恐ろしい。
こんな人に見てほしい
映画公開時はかなり話題になった作品である。
【音を立てたら即死】というキャッチフレーズが印象的であり、ありそうでなかった内容の映画であった。
ジョン・クラシンスキーという現役の俳優が監督を務め、監督自らも主演という形で映画に出演している。
巨匠クリント・イーストウッドを思わせる、かなりの自信がうかがえるし、その自信も我々を裏切らず、
かなり面白い作品であった。
この作品は1作目と2作目をセット鑑賞してほしい。
というのも、ホラー映画でありながら人間ドラマを色濃く描いており、登場人物の成長がテーマとなっている。
それもそのテーマを当てはめる登場人物がかなり印象的で、2作目のラストシーンはで全く予想外のどんでん返しであり一度見たら忘れられない。
このラストシーンのためにこの2作は存在したのではないかというほどである。
モンスターパニックホラーにはなかなかない、スリルと感動。
あらゆる感情の変化に鑑賞後の満足度も大きなものとなる。
音を立てることが出来ないという、極限の中で作り出される緊迫感にあなたは耐えられるだろうか。

クワイエットプレイスを視聴
クワイエットプレイス2破られた沈黙を視聴
鑑賞後アフタートーク(以下ネタバレあり)私の感想
この映画のメインファクターとなっているのは音である。
日常にありふれた音というファクターでありそうでなかった映画を作り上げたと、かなり満足した作品である。
音の使い方も非常に面白く、単に命を奪われるための要素ではない。
映画を見てもらうとわかる通り、ピンチを打開するための要素にも成り代わる。
この作品の面白いところは、背景や要素といった、感情を持たないものにキャラクター性を持たせたところにある。
そう考えると、音に関するすべてのことに意味を持たせているように思えてくる。
モンスターに関しては姿が見えない恐怖というのがあまり見受けられない、どちらかというとパニック映画寄り。
2作目に関しては、姿を隠すことをせず、白昼堂々と町の通りのど真ん中に現れる。
ただ最近の映画らしいリアリティはしっかりあって、1作目の冒頭で弟があっけなく殺されてしまう。
小さな子供が最初に殺されることで、どうしようもない絶望感に立たされ、より映画の恐怖感が増すのである。
この流れは、ITでも同じように描かれていて、主人公の弟が真っ先に連れ去られ殺されてしまう。
やはりヒューマンドラマの要素を大切にしている印象であるが、最後のマーカスが銃を持つシーンは本当に胸を打たれる。
1作目、2作目であんなにも恐怖し、ただただ逃げ惑うことに必死だった子供が、最後自らモンスターを葬り去るシーンはまさにどんでん返し。
弱いと思っていた者ほど本当に大切な場所で強さを発揮するというありふれた演出のはずが、ここまで説得力のある描写はあまり見たことがない。