TM & (C) 2004 DREAMWORKS LLC
画像引用元:https://eiga.com/movie/1193/photo/
目次
概要
原題: THE Terminal
公開:2004年12月18日
監督:スティーブン・スピルバーグ
主演:トム・ハンクス(ビクター・ナボルスキー)
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(アメリア・ウォーレン)
フランク・ディクソン(スタンリー・トゥッチ)
レイ・サーマン(バリー・シャバカ・ヘンリー)
ジョー・マルロイ(シャイ・マクブライド)
エンリケ・クルズ(ディエゴ・ルナ)
ドロレス・トーレス(ゾーイ・サルダナ)
グプタ・ ラハン(クマール・パラーナ)
あらすじ
とある目的のためにはるばるニューヨークにやってきたビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)
入国手続きを終えて普通にニューヨークに入るつもりが、警備員に連れて行かれ、一時隔離されてしまいます。
そして告げられたことは、入国拒否。
空港の管理官であるフランク・ディクソン(スタンリー・トゥッチ)に
あれこれ説明されますが理解できず、結局ロビーで待たされることに。
そしてビクターは知るのです。
祖国でアルクラコウジアがクーデターにより国境が閉鎖されているということを、、、
アメリカへの入国もできない、祖国に帰ることもできない。
お金も、食べる物も満足に持たない状態で、ビクター・ナボルスキーの空港での生活が幕を開けます。
人はいつだって、一歩のために生きている(みどころ)
スティーブンスピルバーグ監督の作品と言えば、ジョーズ、ジュラシックパーク、宇宙戦争など、人間の力ではコントロールできない自然の驚異が起こす災害みたいなものをテーマに描いてます。
平穏な風景が突然驚異にさらされ、人間にはなすすべもなく次から次へと希望が打ち砕かれていく、、
そして絶望の頂点に達した時、意外なところから解決方法が現れ、そっと胸をなでおろす。
そんな映画が多いですね。
今作に巨大生物や宇宙人は登場しませんが、スピルバーグ監督のテーマはしっかりと描かれています。
意外な解決方法から最後にそっと胸をなでおろすシーン。
今作もしっかりと驚かれます。
空港で過ごした数か月が人生そのもの
ビクターが空港で過ごした数か月はまさに人生そのものです。
多くの人の人生をぎゅっと小さくしたような、まさにそんな感じ!
しかも空港という限られた場所で起こるからとても面白いです。
恋をして、涙して、恐れを感じつつ毎日を懸命に生きていく。
時に仕事をしながら人助けまで、いろんな人と関係を連ねていくたびにたくさんの奇跡が起こっていきます。
ただ、本当に見てほしいのは、ビクターが日々を全力で生きていること、常に誰かのために何かをしているということです。
自分は決して心に余裕がある状態ではないはずが、自分を差し置いてでも手を差し伸べるシーンは胸を打たれます。
ある目標のために、正しい道筋で前へ前へと進もうとするビクターの姿を見て、あなたは何を思うでしょうか?
トムハンクスはまさに災害
今作の黒幕(笑)であるフランク・ディクソンですが、彼の側に立って映画を見るのも面白いかもしれません。
スティーブンスピルバーグの映画ならではの自然災害、それに気づくことが出来ると思います。
純粋に自分の名誉のために、空港に対してあれこれ施策を打つのですが思い通りにいかずてんてこまい、、、、
主役であるビクターはディクソンにとってまさにコントロール不可の自然災害。
名前を言いましたがネタバレではありません!
何が災害(笑)なのかは映画を見てのお楽しみ!
人としてどうなのか?と思うシーンもありますが、実際こういう人って世の中にいると思いますし、ある意味かわいそうなんですよね。
今作でディクソンのバックグランドは描かれていませんが、人間だなあと思えるシーンもあることから、根っからの悪い人ではないことがうかがえます。
理解のある人がこの映画を見ると、ディクソンがなんだかかわいそうになってきます。
ディクソンの表情にも注目してみてください。
人はいつだって、一歩のために生きている
ラストシーに込められた思いです。
ごく普通の何気ない一歩が、時にとても大きな一歩であることがあります。
普段当たり前のように訪れるはずの未来が、突然奪われたとき、踏み出せたはずの一歩が踏み出せなかった時に、後にただの一歩が奇跡の一歩になるのです。
例えば朝普段通り出勤しようとしたとき、突然街に爆弾が降ってきたらどうでしょうか。
当たり前のように踏み出せた一歩が突然奪われてしまうのです。
そんな当たり前をもっと大切にすればよかったと多くの人は後悔するでしょう。
しかし、すべてが解決して普段を取り戻したとき、最初の一歩がどれほどの大きな一歩であるか想像もつきません。
劇中でそんな思いに苦悩するような描写は一切描かれていませんが、いくつもの一歩が描かれています。
SF映画のような非現実的な内容ではなく、空港という何気ない日常に起こることなので、より感情移入ができるはずです。
普段の何気ない一歩をすべて気にして生きてはいけないですが、時々思い出せたらいいんじゃないかと思います。
この一歩のために生きているだということを。
こんな人に見てほしい
何でもない話から大きな感動を感じたいときに
今作は空港という、行動範囲も出会う人も限られる中で物語が進んでいきます。
その中で繰り広げられる人間ドラマに意外なもも特にありません。
もちろん大きな災害があるわけでもなければ、怪物や宇宙人が迫ってくるわけでもない、一見すると、まさにたいして何でもない内容の映画なのです。
ところがなぜかとても感動してしまう。
これには秘密があって、空港という閉鎖空間であることがみそだと思います。
イメージや雰囲気の問題ですが、ある特定の場所に限定されて物語が進んでいく映画は、一つ一つのどんでん返しの印象がめちゃくちゃ大きいんですよね。
ホラー映画やパニック映画などでよくありますよね、これらはジャンルの映画はそういうところを楽しみに見ています。
しかし今作のように、何でもないヒューマンドラマに関してはそういうどんでん返しは特に期待することもなく、極めてノーマルな状態で見ているはずです。
その状態でのまさかなどんでん返しには、驚きを超えて感動すらしてしまいます。
何でもない話を人生を変える1本にしてしまうスティーブンスピルバーグの力になんどため息をつかさせられるかわかりませんよ。
見たい映画はprimevideoで!