映画の見方

ちょっと面白い映画の見方提案1

映画に出てくる【悪役】。
見てると本当にムカッときますよね。

なんでそんな言い方ができるの?
なんでそんなひどいことが出来るの?
なんでそこまでダメ人間なの~?

そんな【悪役】ですが、ちょっと背景を想像してみると意外と共感できて感情移入ができるってこと、ないですか?
特に映画の中でそういう描写があると、さっきまでめちゃくちゃ嫌いだったのに、あの悪役、、、かわいそう、、、なんてことになりますよね。

今日はそんな【悪役】たちの人間像(人間だけではないですが)を想像して、映画の雰囲気を変えてしまおうというお話し。

映画の見方もいろいろあって面白いですよね。

登場人物全体を見る

正義と悪は表裏一体

映画に登場する【黒幕】や【悪役】。
この登場人物を少し違う捉え方をしてみましょう。
そうすることで、同じ映画が違ったように見えてきます。


最近僕が見た映画【シビル・ウォー】という映画。

この映画はまさに、正義と悪が表裏一体であることについて描かれています。

そもそも正義と悪の関係とは、
【ある目的を持った人が、それを遂行しようとすることが正義で、それに反する意見や運動が悪】ということではないかと思います。

大切な人を守るために他の人の命を奪おうとすることは、その人にとっては【正義】であり、第三者から見ればどんな理由であろうと人の命を奪うことは【悪】なのです。

この【シビル・ウォー】はまさに【正義】と【悪】が登場人物一人一人に混在するということを描いており、誰の見方をすればいいのかがわからなくなります。
しかし、世の中というものは常にそういう問題が多く発生しているし、時に私たちも常にそういう立場にたたされているのだと思います。

今自分がやっていることは本当に【正義】なのか、誰かにとっては【悪】なのかも知れない。
あなたはどうでしょうか?

悪役は本当に悪なのか?悪役にも存在理由がある

上の話を踏まえて改めて、【悪役】について触れてみましょう。
この登場人物たちはストーリー上は悪でも実際は自分の正義を貫いているだけだとういうケースがあります。

映画とは観客がどういう視点で見るかは自由であり、ヒーローものの映画なのに、最初から悪役に感情移入してみる事だって自由なわけです。

そんなことをする人、滅多にいないでしょう(笑)
そう、滅多にいないからこそ価値のある見方だと言えます。

有名な映画【ターミネーターシリーズ】
未来で人間とAIが戦争を起こし、人間を滅ぼすためにAIが過去にターミネーターという暗殺用のロボットを送り込み、ヒューマンレジスタンスのリーダー、【ジョン・コナー】を未来に存在できないようにしようとします。

この暗殺のために送り込まれた【ターミネーター】はまさに悪。
ただひたすらジョンや関係者の命を奪いに来るだけの恐ろしい敵です。
ところがそんな【ターミネーター】にも正義があります。
それは、ただ命令に忠実に動いているという事実です。

2019年に公開された「ターミネータニューフェイト」で興味深いシーンが描かれています。
それは、目的を達成した【ターミネーター」がその後どうなってしまうか。
ただの暗殺目的で描かれていた【ターミネーター】の存在に新たな価値が生まれた瞬間でした。
そしてそのシーンこそ【ターミネーター】に感情移入が出来てしまう歴史に残るシーンだと思います。

このように悪役の背景などが劇中で描かれていることもありますが、今日提案するのは描かれていない時の話。
つまり悪役の人物像をあなたが想像し、感情移入するのです。

専門分野の事情やちょっとした生活の事情を考える

例えばめちゃくちゃ厳しい教師がいわゆる【悪役】だった場合の話。
教師を仕事としている人ならその仕事について共感できることがあるはず。
映画の内容はフィクションなのでちょっとやりすぎ、って思うこともあるかもしれませんが、それを踏まえても100%その登場人物が悪だとは言えないと思います。

他にも生活の事情なんかを考えてみても面白いかもしれないですね。
何かと嫌味を言ってくるような【おばさんキャラ】とか、こんな生き方だとストレスたまるよな~とか、その登場人物に寄り添ってみるのも一つです。

映画とは、描かれている以上のことをして価値を見出すもの

結局、映画だけに限らず芸術というものは見えること以上のことを感じることに意味があるのだと思います。

絵画を見たとき、ただ色合いが綺麗だとか、大きいなというような、見たまんまのことを言っても何の価値もありませんよね。
そこに、綺麗に対しての感動があり、アーティストの意図をやテーマを自分なりに感じることが大切になってきます。

しかしこれには、絵画を何度か見て少し知っている(興味を持つ)ことと、何を伝えようとしているのか考えること、何かを感じ取ろうとすることが大切になってきます。

映画も同じで、ただ観て「面白かった」「迫力があったね」「感動した、泣けた」だけではもったいないのです。
何が面白かったか、どうして泣けたのかをよく考え、次に見る時はもっと深く感じられることが、また違った楽しみ方なのかなと思います。

そして、皆が見ないところや感じないところを自分なりに感じていくこと、
皆が面白くないと言った映画が、自分だけは面白かったと言えたら最高ですよ。
せっかくお金と時間をかけたのだから、毎回何か満足できるものがある方がいいですよね。